毎年、年末頃から流行の兆しを見せ始めるインフルエンザ。
感染力が非常に強いのが特徴で、日本では毎年約1千万人、約10人に1人が感染しています。
特に、高齢者や乳幼児がインフルエンザにかかると、気管支炎や肺炎を併発し、重症化する恐れもあります。
では、インフルエンザと年間を通して見られる風邪は、どう違うのでしょうか?
今日は、インフルエンザと風邪の症状の違いについてまとめてみました。
インフルエンザとはどんな病気?
インフルエンザウイルス感染することによって引き起こされる感染症を「インフルエンザ」と呼んでいます。
日本では毎年、冬から春先にかけて流行します。
インフルエンザウイルスは非常に感染力が強く、いったん流行が始まると短期間のうちに多くの人へ感染が拡がってしまいます。
インフルエンザウイルスは抗原性の違いを示すA型、B型、C型に大きく分類されますが、その年によって流行するウイルスの抗原が少しずつ変異します。
このため同じシーズンに何度もかかる可能性があり、一度かかって完治しても注意が必要です。
インフルエンザと風邪の違いと症状の特徴は?見分け方は?
インフルエンザの初期症状は、
・せき
・鼻水
・のどの痛み
などで、普通の風邪とよく似ています。
一般的な風邪(普通感冒)は様々なウイルスが原因で起こりますが、その多くはのどの痛み、咳、鼻水、くしゃみなどの症状が中心で、全身症状はあまり見られません。
また発熱してもインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。
一方、インフルエンザの場合は、
・38度以上の急な発熱
・頭痛
・関節痛
・筋肉痛
・倦怠感
などの全身症状が強くあらわれます。
また急に高熱が出て、一度下がってから再び上がることもあります。
赤ちゃんの場合には、吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸症状が出ることもあります。
インフルエンザが流行している時期には、熱が低くても、全身症状が見られる場合はインフルエンザの可能性があります。
特に高齢者や乳幼児、妊娠中の女性はインフルエンザにかかると、重症化する可能性が高い“ハイリスク群”に当てはまります。
「風邪?もしかしてインフルエンザかな?」と思われる場合は、少しでも早く医療機関を受診することが大切です。
受診する際はマスクを着用するなど、他の方にうつさないよう配慮も必要です。
インフルエンザが重症化するとどうなるの?
インフルエンザの初期症状は風邪とよく似ているため、最初はインフルエンザと気づかない場合もあると思います。
しかしインフルエンザは急に高熱が出て、続いて頭痛や関節痛などの重い症状が現れることがあります。
また悪化して重症化した場合には、重い合併症を引き起こすことでも知られていますね。
インフルエンザの合併症には、肺炎、気管支炎、中耳炎、熱性けいれんなどがあります。
このような合併症のなかでも特にこわいのが脳症です。
容態が急変し、呼びかけても答えないなどの意識障害が起こった場合は、夜中でもすぐに医療機関を受診しましょう。
インフルエンザの予防方法は?
1.栄養と休養をしっかりと取る
インフルエンザは免疫力が低下していると感染しやすくなります。
十分な睡眠とバランスの良い食事を心掛け、抵抗力を高めることで、感染しにくくなります。
2.帰宅時の手洗い・うがい
ウイルスが体内へ侵入するのを防ぐために、外出先から帰宅時には必ず手洗い・うがいをしましょう。
またウイルスは石けんに弱いため、手洗いの際は石けんを使用しましょう。
3.予防接種を受ける
ワクチンを流行前に接種しておくことで、インフルエンザに感染しにくくなります。
またかかったとしても、軽い症状で済むことが証明されています。
4.適度な温度・湿度を保つ
暖房などで空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。
加湿器などを使って、50~60%の湿度を保ちましょう。
5.人混みを避ける
インフルエンザの流行時期は、人混みや繁華街への外出は控えましょう。
6.マスクを着用する
マスクをつけることで、体内へのウイルスの侵入を防ぎます。
またのどや鼻の粘膜が乾燥するのを防ぎ、冷たい空気からの刺激も和らげます。
まとめ
小さなお子さんや65歳以上の高齢者がご家族にいる場合、気をつけたいインフルエンザ。
もしかかってしまっても、発症からのタイミングが合えば抗インフルエンザ薬が効果的に働く場合もあります。
できるだけ早く医療機関を受診し、医師の指示に従って処方されたお薬を服用しましょう。
また家族がかかってしまった場合、他の人にもうつらないようにマスクなどで予防することも大切です。